ありがとうサービスが海外に展開する店舗の商品

BRINGで回収された衣類を、カンボジアの古着店で販売。リユースの透明性を高める、新しい取り組みが始まりました!

2024.12.26

国内外でリユース事業を展開する株式会社ありがとうサービスと業務提携を締結。

株式会社JEPLANは、2024年、株式会社ありがとうサービスと業務提携を締結し、BRINGのプラットフォームを通じて回収した衣類をカンボジアの古着販売店で販売し、リユースのサプライチェーンを強化する取り組みを始めました。

BRINGとありがとうサービスの業務提携

サプライチェーンにおける製品の透明性やトレーサビリティについては、2013年に起きた「ラナ・プラザ崩落事故」以降、ファッション産業の大きな課題として議論されてきました。それから10年目の2023年に開催されたFASHION REVOLUTION JAPAN主催の展示について、代表の鎌田安里紗さんにインタビューを行いましたので、是非こちらの記事(INTERVIEW04 「ラナ・プラザ崩落事故」から10年。ファッション産業の現在地 | 鎌田安里紗 – BRING)もあわせてご覧ください。


BRINGは、様々なアパレルブランドや企業と提携して、店頭などで消費者から不要になった衣類を回収しています。回収された衣類のうち、着られるものはリユースし、着られない衣類は独自技術を用いて再び服の原料に生まれ変わらせるなど、多様なリサイクル技術を用いて、服の原料や製品として市場や消費者に再び循環させています。

BRINGで回収した衣類の行方(2023年の実績)

ありがとうサービスは、リユース事業において(株)ハードオフコーポレーションとブックオフコーポレーション(株)のフランチャイジーとして店舗を展開。海外では、子会社の「Mottainai World」がカンボジアに6店舗、タイに3店舗を出店しています。

提携後初めて、BRINGで回収された衣類が販売されたのは、2024年8月に新規オープンしたカンボジアの店舗です。これまでは、リユースされた衣類の最終的な行き先を特定することが難しく、透明性に欠ける面がありました。しかし、両社の連携により、リユースされた衣類の最初の販売先まで追跡できるようになり、より透明性の高いリユースを実現しました。

日本で回収された不要衣類が、カンボジアの古着販売店の店頭に。

ありがとうサービスがカンボジアで展開する6店舗は、全て首都プノンペンの市内にあります。日本からきた古着は丈夫で物が良いと、現地でとても人気で、新店舗のオープンの際には、SNSのみでの告知だったにも関わらず、多くの人が並んだそうです。今回店頭に並んだのは、BRINGが大丸・松坂屋と取り組む「エコフ」で回収された衣類が中心でした。店内は綺麗に整頓されていて、他のローカルのお店に比べ、商品が見やすいように工夫されています。また、金額は初めは2.5ドルに設定されていて、徐々に、2ドル、1.5ドルと値下げされていきます。現地のマーケットでは同等の値段で新品の服が買えるというので、少し割高でも、日本の古着には価値があるということですね。今後さらに店舗を増やすことや、取り扱い品目を増やすことも検討しているそうです。

ありがとうサービスが海外に展開する店舗の商品
ありがとうサービスが海外に展開する店舗の商品
ありがとうサービスが海外に展開する店舗の商品

古着販売店の店内。服だけでなく、靴や鞄、雑貨やアクセサリーも人気。

古着リユースのトレーサビリティを高める一歩を。

現在、古着リユースの市場は海外がメインです。海外に輸出された後、現地で分別され、さらに別の国へと渡っていくことも多く、様々な仲卸業者を介するため、行方を追いづらいという点が懸念されています。一方、ありがとうサービスが展開する店舗では、現地でも自社のスタッフが分別を行い、破れているもの、汚れているものはウエスにリサイクルし、もう一度着られるものはまず、自分たちの店で直接消費者に向けて販売されているので、トレーサビリティはグッと高まります。それでも売れ残った衣類は卸にまわってしまうため、この仕組みが完璧というわけではありませんが、現状から一歩進むための取り組みになるはずです。

※ウエス

機械類の油や、汚れ・不純物などを拭き取ってきれいにするために用いる布。

ありがとうサービスの海外倉庫に集まった衣類
ありがとうサービスの海外倉庫に集まった衣類

タイ・カンボジアの倉庫に集まってきた古着。ここで仕分けもされている。


今後は、ありがとうサービスが運営する他のカンボジアの店舗やタイの店舗でも、順次BRINGが回収した衣類を販売する予定です。古着の回収キャンペーンに参加する際は、回収された衣類がどうなるのかも、是非注目してみてくださいね!

BRINGの服の回収とリサイクルについて

https://bring.org/pages/recycle

また、2024年、BRINGは製品の製造工程を追跡、可視化するシステム「Open HIVE by BRING」(以下、OPEN HIVE)の運用をスタートしました。製品の原料になった服がどこでリサイクルされ、どのように製品が作られたのか、辿った場所がMAPに表示されるシステムです。詳しくはこちらの記事(服やペットボトルのサプライチェーンに、いつでも、どこからでもアクセスできる「Open HIVE」がサービス開始!)をご覧ください。

現在販売中の商品では、「DRYCOTTONY バスクシャツ」にOPEN HIVEのタグが付いており、製造工程を追跡することが可能です。そのほかの商品にも順次実装予定です。

Sold out

執筆:熊沢紗世

 

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