2016年、BRINGと大丸・松坂屋が「エコフ リサイクルキャンペーン」の協業を開始。使わなくなった服・靴・バッグを店頭で回収し、リサイクル・リユースにつなげるお客様参加型のプロジェクトは、2023年3～5月に第14回目の開催を迎えました。

プロジェクト始動からプロデューサーを務める永井滋さんと、BRING店頭回収リーダー 高杉の対談をお届けします。

高杉　エコフが始まって8年が経ちましたが、最初はどのような経緯でBRINGと連携し、協業を始めることになったのでしょうか。

永井　きっかけは松坂屋静岡店で開催した衣料品回収キャンペーンです。1店舗のみの開催だったにも関わらず、とても多くのお客様にお越しいただき、社内でも話題になりました。すぐに、全国の店舗でも展開しようとプロジェクトが立ち上がったのです。ただ、その時お付き合いしていた回収業者さんはリユースメインのところだったので、リサイクルもされているBRINGに声をかけさせていただきました。

(株)大丸松坂屋百貨店 営業企画部 部長 永井滋さん

高杉　静岡で行われた衣料品回収キャンペーンには、まだ「エコフ」という名前は付いていなかったんですね。

永井　全国で衣料品回収をスタートする際に、これは今後何年も続く事業になるのではと思い、改めて名前を付けることにしました。「エコ」と、“環境負荷をオフする”、“オフ価格で購入できる（回収時にクーポン配布があるため）”ことから、「オフ」を掛け合わせて、「エコフ」という言葉を作りました。お客様に覚えていただけるよう、短くてキャッチーにしています。

高杉　ちょうど真ん中の「O」がリサイクルマークになっていて、循環を象徴している感じがします。全国で衣料品回収が始まり、初回は 3万キロを回収しました。この結果についてはどう思われましたか。

永井　静岡店の回収量と比較し、想定より少なかったなと思う店舗もあれば、多いなと思う店舗もありました。まだ始まったばかりでしたので、伸びしろのある結果だと感じましたね。

高杉　2017年には一気に120トンまで回収量を増やし、2022年秋会期では200トンに迫る回収量でした。

永井　継続することで、徐々に認知度が高まってきた結果ですね。まだまだ回収量は伸びるのではないでしょうか。ただ近年、お客様の買い物に対する意識に変化が見られ、一つのものを大切に、長く使う方が増えてきているように思います。そのため僕らも、単にエコフの回収量を増やすことを目標とするのではなく、お客様のリユースやリサイクルに対する意識に寄り添っていく取り組みを始めるべきです。例えば、お客様ご自身がボタンやファスナーを外し、それぞれ別の回収に持っていくことで、リサイクルの効率や質が上がるのでは？とも思っています。

非接触で服・靴・バッグを投入できる回収ボックスは、コロナ禍で開発された。

高杉　ペットボトルを捨てる際に、キャップやラベルを外すのと同じですね。リサイクル効率が上がれば、処理量も増えます。そのひと手間が、どう地球環境に関わるかということを私たちも発信していかなければと思います。

永井　今は回収後、リユースとリサイクルに分けられているという表面的なことしか伝えられていないのですが、実際にどんな国に渡っているのか、どういったものにリサイクルされているのかという情報の可視化も、今後行うべき使命だと考えています。エコフは僕らにとって、直接お客様とコミュニケーションをとることのできる貴重な場です。お客様の声を反映し、毎回開催する度に、必ず何かをアップデートしています。一つずつ進化させていくことで、お客様と従業員がともに、愛情を持って育てていけるプロジェクトになればと思っています。

(株)JEPLAN BRING店頭回収リーダー 高杉賢治

高杉　リサイクルしてできたポリエステル樹脂を使ってエコフの回収箱を作ったり、会期中はBRING Material™でできたアパレル製品が店頭に並んだりするなど、参加してくださった方の目に見えるかたちでサーキュラーエコノミーを実現出来たら良いですね。エコフに参加することによって、「リサイクルってこんなに楽しいんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。

大丸・松坂屋は「Think GREEN」プロジェクトの中で、エコフをはじめとした、様々なサステナブル活動を行っています。環境にやさしい商品の販売、寄付活動、SDGsに関する身近なアクションの紹介など、どれもお客様とともに取り組むものばかり。楽しく活動に参加しているうちに、いつの間にか社会貢献につながっています。

エコフは、年2回のペースで今後も開催予定です。衣替え等で不要になった服・靴・バッグを是非、お近くの大丸・松坂屋店舗までお持ちください。