登山用タイツの選び方|役割と種類、必要な機能と適した素材から解説

2024.10.3

登山用タイツには、テーピングの原理で足腰の負担を軽減するサポートタイプや、足を引き締める着圧(コンプレッション)タイプなど、さまざまな種類がありどれを選べばいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。

タイツの種類によって効果が違うため、登山用タイツを選ぶ際は、求めている効果を発揮できる製品を選ぶことが大切です。

本記事では、登山用タイツの役割や種類ごとの効果、必要な機能を整理したうえで、季節別に選び方を紹介します。登山用タイツに求める効果を整理し、目的にあった製品を選びましょう。

登山用タイツを履く理由がわかる!5つの役割

登山用タイツには、次の5つの役割があります。

1.   疲労感やむくみを軽減する
2.   下半身の動きをサポートする
3.   寒さを防ぐ
4.   けがを防止する
5.   虫刺されを予防する

役割から登山用タイツを履く目的が明確になるため、 商品を選ぶ際の参考にしてください。

1.疲労感やむくみを軽減する

登山用タイツには、下半身の疲労感や足のむくみを軽減する役割があります。翌日に疲れを残したくない方や、足がむくみやすい方が着用すると、効果を実感できるでしょう。

登山中、足腰に疲労が溜まりすぎると、転倒や滑落などの事故につながるリスクが高ま ります。また、大量の汗をかくことで水分不足 になり、むくみやすくなります。

血行をよくする機能をもつ登山用タイツなら、疲労感やむくみを軽減しながら、安全かつ快適に登山を楽しめるはずです。

2.下半身の動きをサポートする

登山用タイツには、テーピングのように、筋肉や関節の動きをサポートする役割があります。登山中のパフォーマンスを上げたいときや、筋肉・関節を保護してけがを予防したいときに、効果を発揮します。

登山中に一度膝や腰が痛くなると、その後も痛みが持続し、登山を楽しめなくなったり、途中で下山しなければならなくなることがあります。

しかし登山用タイツで下半身の動きをサポートすることで、筋肉や関節への負担がやわらぎ、快適に登山ができるようになるでしょう。

3.寒さを防ぐ

登山用タイツには、寒さを防ぐ役割もあります。とくに、保温性の高いウールやメリノウールなどの天然繊維でできたタイツが効果を発揮します。

登山用タイツは、ベースレイヤーといって、登山服のレイヤリングのなかで肌に触れる衣服のひとつです。春や秋は、ミドルレイヤーのパンツのみ履く方もいるかもしれませんが、タイツを一枚挟むだけで防寒性が大幅に上がるので、ぜひ試してみてください。

登山のレイヤリングについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:登山の服装の基本は?季節ごとの着こなしを初心者にもわかりやすく紹介(準備中)

4.けがを防止する

登山用タイツには、けがを防止する役割もあり、転倒したときは擦り傷や切り傷などの外傷から肌を守ることが可能です。

サポート機能があるタイツであれば、関節や筋肉への負担を軽減できるため、肉離れや捻挫などのけがも予防できるでしょう。

ただし、登山用タイツだけですべてのけがを防止できるわけではないため、登山前のストレッチや日頃のトレーニングで、けがや故障が起こりにくい身体をつくることが大切です。

5.虫刺されを予防する

登山用タイツには、虫刺されを予防する役割もあります。

夏場は、ハーフパンツの下に通気性のよいタイツを履くと、下半身に熱がこもるのを防ぎながら、虫刺されの予防が可能です。

ただし、素材によっては防ぎきれないこともあるため、気になる場合は虫除けスプレーやリングなどの用意をおすすめします。

夏の登山におすすめ、タイツと一緒に着用したいメッシュインナー仕様の水陸両用ハーフパンツをご紹介します。

ブラック

登山用タイツとあわせて着用したい『DRYCOTTONY TEX.TRAIL SWIM Shorts 2.0 feat. waste pocket』は、メッシュインナー仕様の水陸両用ハーフパンツです。夏の低山を登るとき、通気性との併用で熱がこもるのを防げます。


登山用タイツの4つの種類と効果

登山用タイツには、4つの種類があります。

1.   着圧(コンプレッション)タイプ
2.   サポートタイプ
3.   ハイブリッドタイプ
4.   防寒機能特化タイプ

種類ごとの効果を解説するので、登山用タイツを選ぶときの参考にしてみてください。

1.着圧(コンプレッション)タイプ

着圧(コンプレッション)タイプは、下半身に圧力をかけて血行を促進する登山用タイツで、疲労感やむくみを軽減する効果が期待できます。

着圧が、筋肉の余計な動きを抑制してくれるため、パフォーマンスを向上させることも可能です。

効果を踏まえると、着圧タイプは次の方におすすめです。

●   翌日に足腰の疲労を残したくない方
●   筋肉痛が心配な方
●   足がむくみやすい方

登山だけでなく、足腰が疲れやすい立ち仕事や歩くことが多い仕事に就かれている方も効果を実感できるでしょう。

2.サポートタイプ

サポートタイプは、テーピングのように筋肉や関節を補強・固定する機能をもつ登山用タイツで、負担を軽減する効果を期待できます。登山中や下山後に発生する足腰の痛みがやわらぐでしょう。

また、筋肉や関節の動きを制限し、正しい動きをサポートする機能もあり、肉離れや捻挫などのけがを予防します。

足腰に不安がある方や、けがの再発防止をしたい方は、サポートタイプを検討してみてください。

なお、タイツだけでなく、登山用ソックスにもサポートタイプがあるので、必要に応じて着用しましょう。

以下の記事では、登山用ソックスの選び方を詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

関連記事:登山用靴下の必要性と重要な役割|選び方の6つのポイントも紹介(準備中)

3.ハイブリッドタイプ

ハイブリッドタイプは、着圧タイプとサポートタイプの機能をもつ登山用タイツです。足腰の負担と疲労感、むくみを軽減しながら、パフォーマンスを向上できます。

足腰だけでなく、登山における歩行も強力にサポートするため、高いパフォーマンスを出したい方におすすめです。

なお、両方の機能をもつ分、ほかの種類と比較して価格が高い傾向があります。

4.防寒機能特化タイプ

防寒機能特化タイプは、着圧タイプやサポートタイプのようなサポート機能がないものの、防寒性に優れた登山用タイツです。

疲労感やむくみの心配がなく、足腰も問題ない方向けで、防寒性を高めたいときにおすすめです。

防寒機能特化タイプでおすすめの登山用タイツとして、BRINGの『WUNDERWEAR LEGGINGS』を紹介します。

BRINGが提供する『WUNDERWEAR LEGGINGS』は、メリノウール70%・再生ポリエステル30%の混紡で、保温性に優れたレギンスです。少ない締めつけ感となめらかな肌触りで、ストレスフリーな登山用タイツとしてお使いいただけます。

北米大陸最高峰デナリの登山にて、登山家の吉田智輝さんに『WUNDERWEAR LEGGINGS』を着用していただきました。以下の記事で使用感を紹介しているので、併せてご覧ください。

関連記事:INTERVIEW03 “海抜0mから七大陸最高峰登頂” 前人未到の偉業に挑む冒険家 | 吉田智輝


登山用タイツに必要な機能と適した素材

登山用タイツには、必要な機能が3つあります。

●   吸水速乾性
●   通気性
●   接触冷感

それぞれの機能をもつ素材も併せて解説するので、登山用タイツの素材を選ぶときの参考にしてみてください。

吸水速乾性

登山用タイツは、肌に直接触れるベースレイヤーにあたるため、汗を吸いとり乾かす吸水速乾性が必要です。

肌が汗で濡れたままの状態を放置すると、身体が冷えてしまい、低体温症に陥るおそれがあります。深部体温が35℃以下になる低体温症になると、身体の震えや意識障害が起こり、最悪の場合死に至ります。

低体温症を防ぐためにも、吸水速乾性の高い登山用タイツをはじめとするベースレイヤーが必要です。

通気性

暑いときに履く登山用タイツは、身体の熱がこもらないよう通気性のよいものを選ぶことが大切です。

たとえば、夏場の登山で、虫刺され予防のために登山用タイツを履く場合、通気性が確保されていないと熱を逃がせないため、熱中症のリスクが高まります。

熱中症対策のためにも、夏場はとくに通気性の高いメッシュや薄手の登山用タイツがおすすめです。

ただし、冬に通気性が高い登山用タイツを着用すると、身体が冷える原因となってしまうため、山の気温を確認して適切なものを選びましょう。

接触冷感

登山用タイツのなかには、触れると冷たく感じる接触冷感機能があるものもあります。接触冷感機能をもつ登山用タイツは、暑くなりやすい夏の低山での着用がおすすめです。

化学繊維のうち、レーヨンやナイロンは接触冷感がある素材です。天然繊維では絹が該当しますが、ほかの素材と比較して伸縮性が低いため、登山用タイツには適しません。

化学繊維のなかから、吸水速乾性と通気性も兼ね備えたタイツを選ぶと、肌をドライに保ちながら快適に登山を楽しめるでしょう。

保温性

寒いときに履く登山用タイツは、身体の熱を逃がさないよう、保温性に優れた素材を選ぶことが大切です。

保温性の高い素材は、天然繊維のウール・メリノウールです。また、化学繊維のなかで、遠赤外線効果が備わっているタイプも保温効果があります。

夏の低山以外は、登山中に気温が大きく変動する可能性が高いため、保温性のある素材が適切です。


【季節別】登山用タイツの選び方

ここでは、登山用タイツの選び方を季節別に紹介します。

●   夏(6~8月)に適したタイツ
●   冬(12~2月)に適したタイツ
●   春・秋(3~5月・9~11月)に適したタイツ

まずは、季節ごとに必要な機能から、適切な素材を選びます。次に、目的にあった種類から、選んだ素材のタイツを探してみてください。

ただし、標高100mごとに気温が0.6℃下がるため、季節だけでなく標高も踏まえて検討する必要があります。適切な登山用タイツを選び、快適かつ安全に登山を楽しみましょう。

夏(6~8月)に適したタイツ

夏(6~8月)に適した登山用タイツの素材と機能は、次のとおりです。

 

機能

素材

必要性

低山

高山

吸水速乾性

化学繊維

天然繊維

通気性

メッシュ

薄手

接触冷感

化学繊維

お好み

保温性

化学繊維

天然繊維

夏に登山用タイツを履く場合は、着回しで通気性を高めることが可能です。たとえば、薄手の登山用タイツの上にハーフパンツを着用し、外気に触れるようにすると、熱がこもるのを防げるでしょう。

ただし、高山では身体が冷えるおそれがあるため、気温を確認したうえで決めてみてください。

以下の記事では、ショートパンツ以外の登山用パンツについても詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

関連記事:登山パンツの選び方!普通のパンツとの違いや季節ごとの着こなしを紹介

冬(12~2月)に適したタイツ

冬(12~2月)に適した登山用タイツの素材と機能は、次のとおりです。

 

機能

素材

必要性

低山

高山

吸水速乾性

化学繊維

天然繊維

通気性

メッシュ

薄手

接触冷感

化学繊維

保温性

保温性

冬はほかの季節よりも寒く、低体温症になるリスクが高いため、積雪地帯ではなくても十分な防寒が求められます。吸水速乾性で汗冷えを防ぎ、保温性で熱を逃がさないように着回しを考えることが大切です。

冬に適した登山用タイツとして、メリノウールを使ったおすすめの製品を紹介します。

『WUNDERWEAR LEGGINGS』は、メリノウール70%・再生ポリエステル30%の混紡で、保温性に優れています。吸放湿性を備えており、身体の温度調節を助けてくれるため、快適に着用が可能です。

『WUNDERWEAR CREWNECK』と併用すると、より防寒性を高められます。

『WUNDERWEAR LEGGINGS』と同じ素材でできている『WUNDERWEAR CREWNECK』は、冬の登山でも身体の熱を逃がさずキープします。袖に指ぬきがあるので、手を冷やさずにカメラの操作や飲食など細かい作業が可能です。

なお、防寒性を高めるためには、タイツやインナーだけでなく、登山用のウェアも適切に選ぶ必要があります。以下の記事では、登山用ウェアの種類と選び方を紹介しているので、参考にしてみてください。

関連記事:登山ウェアの種類と選び方!おしゃれに着こなす4つのコツを紹介(準備中)

春・秋(3~5月・9~11月)に適したタイツ

春・秋(3~5月・9~11月)に適した登山用タイツの素材と機能は、次のとおりです。

 

機能

素材

必要性

低山

高山

吸水速乾性

化学繊維

天然繊維

通気性

メッシュ

薄手

接触冷感

化学繊維

保温性

保温性

春・秋といっても、夏に近い時期の低山では、夏のタイツでも問題なく過ごせる場合があります。

ベースレイヤーでは、汗で肌が濡れたままの状態にしておかないことがもっとも大切であるため、気温や天気にあわせて適切な素材を選びましょう。

季節ごとに登山用タイツを用意しておくと、気温や天気が読みにくい場合もお手持ちのなかから適切な素材を選べるはずです。

肌寒い場合は、登山用タイツだけではなく、防寒性の高いインナーで調整する方法もあります。以下の記事では、登山用インナーの種類と選び方を解説しているので、併せてご覧ください。

関連記事:登山用インナーの選び方|必要な機能と素材の違いを解説


まとめ:登山用タイツを履いて安全・快適に登山を楽しもう

登山用タイツは、素材によって機能が違うため、季節や気温にあわせて選ぶことが大切です。素材が決まったら、以下から自分の目的にあわせて種類を選びましょう。

●   着圧タイプ:疲労感・むくみを軽減したい
●   サポートタイプ:けがを予防したい
●   ハイブリッドタイプ:疲労感・むくみの軽減とけがの予防とともに、パフォーマンスをアップしたい
●   防寒機能特化タイプ:防寒性を高めて汗冷えを防ぎたい

BRINGでは、寒い時期の登山におすすめの保温性に優れた『WUNDERWEAR LEGGINGS』を提供しています。登山用タイツとしてお使いいただけるので、防寒機能特化タイプをお探しの方はオンラインストアで詳細をご覧ください。

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登山用タイツは、素材によって機能が違うため、季節や気温にあわせて選ぶことが大切です。素材が決まったら、以下から自分の目的にあわせて種類を選びましょう。

●   着圧タイプ:疲労感・むくみを軽減したい
●   サポートタイプ:けがを予防したい
●   ハイブリッドタイプ:疲労感・むくみの軽減とけがの予防とともに、パフォーマンスをアップしたい
●   防寒機能特化タイプ:防寒性を高めて汗冷えを防ぎたい

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