Baled plastic waste wrapped in yellow straps.

ペットボトルリサイクルの現場。回収されたペットボトルをフレーク化し、リサイクル業者へ繋ぐ|新南株式会社

2026.3.27

私たちが飲み終えたペットボトル。 

ご家庭のゴミとして、またスーパーやコンビニ、駅や自販機横の回収箱に出した後、それらはどこへ行くのでしょうか。

Three recycling bins and a trash can in a bright space.

使用済みのペットボトルをもう一度ペットボトルにリサイクルする「ボトルtoボトル」リサイクルという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

 

PETボトルリサイクル推進協議会が発行した『PETボトルリサイクル年次報告書2025』※1によると、2024年度のボトルtoボトルリサイクル量は246,000トン。国内で販売された指定PETボトルに対するボトルtoボトル比率は37.7%(前年度より4.0ポイント増)となりました。

 

水平リサイクルであるボトルtoボトルは、何度でも繰り返しリサイクルすることが可能なため、資源有効利用の観点から非常に優れたリサイクル手法だといわれています。

 

※1 PETボトルリサイクル推進協議会『PETボトルリサイクル年次報告書2025』chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.petbottle-rec.gr.jp/nenji/2025/2025.pdf

 

さらに、2021年4月に(一社)全国清涼飲料連合会が発表した「2030年ボトルtoボトル比率50%宣言」※2を目標に、今後も飲料メーカーやリサイクル業者による取り組みは加速していくと考えられます。

 

※2 PETボトルリサイクル推進協議会『PETボトルリサイクル広報誌RING https://www.petbottle-rec.gr.jp/ring/vol39/p03.html

 

BRINGを運営する株式会社JEPLANは、グループ会社であるペットリファインテクノロジー株式会社(以下、PRT)にて、ペットボトルのケミカルリサイクルを行っています。PRTで製造された再生PET樹脂は、石油由来の新品樹脂と同等の品質を持ち、飲料用ペットボトルとして安心して使用することができます。

ベールからフレークへ。
リサイクルを可能にする“中間処理”という工程。

皆さんが使い終わったペットボトルは、市区町村や飲料メーカーの回収ルートを通じて集められます。回収されたペットボトルは、まず中間処理場で缶やびんなどの異物を取り除き、圧縮して梱包されます。この圧縮されたかたまりを「ベール」と呼び、保管や運搬をしやすくします。(この工程については、以前北海道釧路市のペットボトルリサイクルについて取材を行ったこちらの記事で詳しく説明しています)

ベール化されたペットボトル。

そしてベールになったペットボトルは、次の中間処理場へ運ばれます。そこでベールをほぐし、残っている異物を取り除きながら細かくカットしていきます。この細かくなった状態を「フレーク」と呼び、このペットボトルフレークがPRTなどのリサイクル業者へと送られていきます。

Water splashing over a metal grate in a recycling process.

フレーク化されたペットボトル。

今回は、このフレーク化という重要な工程を担う新南株式会社の工場を取材しました。

A person sitting on a couch, wearing a gray suit and black shirt.

新南株式会社 専務取締役の大久保亮治さんにお話を伺いました。


巨大な選別ラインの裏側で行われている、徹底した異物除去の工夫。

工場に入って、まず感じたのはそのスケールの大きさでした。大型の機械が何台も並び、敷地内にはベール状にまとめられたペットボトルのほか、ハンガーやビニール袋など、さまざまな回収物が置かれていました。

 

工場には、月に約1,000トンものペットボトルが届くそうです。

<ペットボトルフレークの加工工程>

 

①運び込まれたベールは、まず開梱されます。

 

②磁石によって鉄が取り除かれ、「トロンメル」という機械で重たい異物が落とされます。

ペットボトル用トロンメルペットボトルリサイクルライン向けに設計された前処理機。その主な機能は、ペットボトルから砂、石、金属、その他の不純物を除去すること。

A pile of assorted metal caps and bottle tops in a bag.

取り除かれた鉄類。(スチール缶など)

③続いてアルミ選別機によってアルミ缶がはね飛ばされます。

※アルミ選別機:投入口から選別したい原料を投入。ベルトコンベア上で搬送され、 高速回転する磁石で誘発される渦電流(うずでんりゅう)を利用し、アルミや銅等前方にはね飛ば

 

④その後、ペットボトルは粉砕され、細かい破片になります。

 

⑤水を使った比重分離で浮いてくるキャップを取り除きます。細かい破片を取り除くために2度洗浄が行われます。

比重分離機: PP(ポリプロピレン)PE(ポリエチレン)などの比重が軽い (比重1以下) から、PET (比重1以上) などを分離する

 

⑥最後は風力選別によってラベルが吹き飛ばされます。

※風力選別機:ベルトコンベア上で搬送された原料が、ファンから吹き上げられた風により選別され、質量の軽いラベルは吹き飛ばされ

 

⑦こうして出来上がるのが、ペットボトルフレークです。

Close-up of a bag containing rice or grains.

このラインで作られたフレークの多くはPRTへ送られます。PRTではケミカルリサイクルによって分子レベルまで分解するため、選別しきれなかった微細な異物が残っていてもリサイクルすることが可能です。

一方、メカニカルリサイクルフレークを洗浄し、高温減圧による除染を行う手法)けには、さらに綺麗なフレークが求められます。それが「Aフレーク」です。

 

Aフレークを製造するラインでは、光学選別機やアルカリ洗浄が追加され、より厳しく選別・洗浄が行われます。

※光学選別機:様々なセンサーがベルトコンベアに流れる原料の材質と色を同時に判断し、エアージェットにて選別する

※アルカリ洗浄:フレークを高温アルカリ洗浄・研磨することで表面に吸着した異物を除去する

Conveyor belt with items moving under a machine in a factory setting.

アルミ缶、キャップ、ラベル…選別の先にあるリサイクル。

工程の中で特に難しいのが、アルミ缶の除去だといいます。鉄は磁石で取れますが、アルミは磁石に反応しません。渦電流式の選別機で飛ばしますが、ペットボトルと一緒にプレスされていると、完全に取り除くことは難しくなります。破砕する前に、いかに入らないようにするかが大事なのです。

A close-up of a green container filled with sand or gravel.

最後まで徹底的に異物が除去されます。

取り除かれたキャップはペレットに再生され、別のプラスチック製品になります。

さらに新南株式会社では、リサイクル工程で使われたビニールの袋(PE)をペレット化し、ゴミ袋に再生する取り組みも行っています。またハンガーやPPカップなど、さまざまなプラスチックがここに集まり、それぞれ次の循環へと繋がっていきます。


工場を見学しながら、強く感じたことがあります

 

それは、粉砕やベール化してしまってからでは、異物を取り除くことが格段に難しくなるということです。だからこそ、ご家庭や街の回収箱に出す段階での分別が、とても重要なのだと改めて実感しました。

【NEXT ACTION】 

ペットボトルを回収に出す前に、私たちができること。

 

  1. キャップとラベルを外す。 

  1. 中を水ですすぐ。 

  1. びん・缶と分けて回収箱に入れる。 

 

このひと手間が、ボトルtoボトルのリサイクルを実現する確率を高めます。

詳しくは、お住まいの自治体の分別ルールをご確認ください。

新南株式会社ウェブサイト

https://shin-nan.co.jp/

取材・執筆:熊沢紗世

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