【ボトルtoボトル】森とスタジアムの街で。北広島市が選んだボトルtoボトルという循環 | 北海道北広島市

2026.3.12

札幌市での取材終えた翌朝、私はJRに乗り、北広島市へ向かいました。北広島駅は札幌駅から数駅の距離。札幌市と新千歳空港のあいだに広がる、なだらかな丘陵地帯に位置しています。

北広島市は、北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」があることで知られています。一方で、駅から約2kmの場所には湿地帯が広がり、希少な野生動物の姿を見ることもできます。さらに、エスコンフィールドの隣にある「レクリエーションの森」には、特定天然記念物のクマゲラ※1が生息しています。

 

※1 クマゲラキツツキ目キツツキ科クマゲラ属に分類される鳥類。日本では1965年に国の天然記念物に指定されている。

北広島駅に降り立つと、エスコンフィールドのある「F.VILLAGE」への案内が目を引く。

田畑も多く、「ゆめぴりか」「ななつぼし」といった北海道米のルーツである「赤毛米」もこの土地の名産です。新しいにぎわいと、受け継がれてきた自然や文化が同じ風景の中にある。それが、このの魅力です。 


BRINGを運営する株式会社JEPLANは、2023年5月に北広島市と「資源循環推進に関する包括連携協定」※2を締結しました。

 

※2 北海道北広島市「株式会社JEPLANと資源循環推進に関する包括連携協定を締結しました。」 https://www.city.kitahiroshima.hokkaido.jp/hotnews/detail/00150610.html

 

北広島市で回収されたペットボトルは、JEPLANグループのペットリファインテクノロジー株式会社(以下、PRT)へと送られます。そこで行われているのが、ケミカルリサイクルです。

使用済みペットボトルを分子レベルまで分解し、石油由来と同等品質のPET樹脂へと再生する技術で、従来のメカニカルリサイクルでは難しかった高度な水平リサイクルを可能にします。ボトルからボトルへと何度でも戻すことを目指す仕組みです。 

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クラーク博士が「BOYS BE AMBITIOUSー青年よ大志をいだけ」という言葉を残した場所は、北広島市だったそう。


ゼロカーボンシティを目指して──

北広島市が選んだ「ボトルtoボトル」という選択

北広島市 市民環境部 廃棄物対策課の見山尭さんと、環境衛生課の梅津裕樹さんにお話を伺いました。

Q. JEPLANとの包括連携協定を結んだ背景を教えてください

 

見山 従来のペットボトルのリサイクルは、衣類などへ再生するメカニカルリサイクルが中心でした。ただ、その一部は最終的に焼却へ向かうケースもあり、資源を十分に活かしきれていない側面もありました。より環境負荷の低い方法はないかと模索する中で、JEPLANの「ボトルtoボトル リサイクル」に着目しました。

 

 

Q. ボトルtoボトルのどこに魅力を感じましたか


見山 ペットボトルをペットボトルに再生することで、石油由来の資源を削減できる点です。自治体としても、回収して終わりではなく、そのまで説明できることに意義を感じました。

 

梅津 北広島市は2023年2月、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指す「ゼロカーボンシティ宣言」※3を行いました。これまで進めてきた再生可能エネルギーの導入や環境教育に加え、市民への啓発にも力を入れています。

 

※3 エコ発蓄電池「【北海道・北広島市】バイオマスと市民協働で創る、自然共生型ゼロカーボン未来図」 https://www.eco-hatsu.com/battery/13807/

回収後を見据え、市民に分別を呼びかける

Q. ペットボトルの回収から出荷までの流れを教えてください

 

見山 家庭から出されたペットボトルは、缶と同じ袋で回収されています。その後、市内の資源リサイクルセンターで袋を破り、異物などを取り除きながら選別し、圧縮・梱包して出荷します。以前はびん・缶・ペットボトルをまとめて一つの袋で回収していましたが、細かく割れてしまったびんはリサイクルできないため、現在はびんのみ別の袋に分けて出していただき、リサイクル効率の向上を図っています。

 

 

Q. 分別方法の変更について、市民への周知はどのように行いましたか。

 

見山 変更前に市民説明会を実施しました。あわせて広報誌や市ホームページ、毎月発行している「きたひろごみ通信」で分別方法を繰り返し案内しています。変更直後は特に関心が高く、問い合わせをくださる方もいらっしゃいました。関心の高いには届いている実感がありますが、より広く伝えていく工夫が必要だと感じています。

「遊びながら循環を学ぶ」環境学習のかたち

Q. JEPLANとの連携協定の中で、特に重視しているポイントは何ですか

 

見山 環境負荷を下げること、そして脱炭素社会に向けた取り組みに関われること。もう一つは環境学習です。リサイコロのような「遊んで学べる」活動を大切にしています。毎年開催している「環境ひろば」というイベントでも、リサイコロを実施しています。

 

 

Q. 参加された方々の反応はいかがですか

 

見山 ペットボトルがリサイクルされていること自体は知っていても、その過程までは知らない方が多いです。リサイコロでは楽しみながらそれらをるので、好評だと感じています。子どもたち遊びながら自然と「ポイ捨てはよくない」「リサイクルできるマスに止まりたい」と、より良い行動を選ぶ感覚を身につけているように思います。

 

 

Q. 昨年開催された親子で行く!北広島クリーンツアについても教えてください

 

見山 小学生の親子を対象に、夏休み期間を利用して、北広島市クリーンセンターで資源物の中間処理工程を見学していただき、その後、燃やせるごみを焼却施設まで運ぶための中継施設や最終処分場などをめぐるバスツアーを実施しました。最後にリサイコロも体験していただきました。大変好評だったので、今年以降も継続して開催したいと考えています。

Q. 今後、挑戦してみたいことはありますか

 

見山 民に一番伝わりやすいのは、やはり「遊んで学べる」環境学習だと思っています。現在はペットボトルが中心ですが、ほかの資源についても同じように学べる仕組みが増えると面白いですね。近隣の自治体や連携企業と知見を共有しながら、活動の幅を広げていきたいと考えています。

市役所の1階では、古紙、古着などの資源回収が行われている。


市役所の5階には、「白い恋人」で知られる石屋製菓が運営するISHIYA CAFÉがあります。窓からは街を見渡すことができ、市民の憩いの場になっていました。

北広島には、石屋製菓のメイン工場があります。

名産の赤毛米をモチーフにしたゆるキャラ「きたひろ・まいピー」も立っていました。

取材を終え、市役所の隣にある廣島神社へ足を運びました。澄んだ空の下で社殿を写真に収めながら、北広島という土地の穏やかな時間の流れを感じました。

絵馬掛けには、この土地ならではの野球ボールの形をした絵馬も並んでいます。


【NEXT ACTION】 

  • ペットボトルを軽くすすぐ。

  • キャップとラベルをはずす。

 

そのひと手間が、ボトルtoボトルの循環を支えます。

 

あなたの街では、回収されたペットボトルがどこへ向かうか知っていますか。

ぜひ一度、お住まいの自治体のウェブサイトなどで調べてみてください。 

循環は、いつも私たちの手元から始まっています。

BRING BOTTLE ウェブサイト

https://bringbottle.jeplan.co.jp/

取材・執筆:熊沢紗世

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