身近なリサイクルを支える「容器包装リサイクル法」のしくみ

2026.3.4

容器包装リサイクル法とは?目的と対象を分かりやすく解説。

1990年代、日本では経済成長と大量生産・大量消費により家庭ごみが急増しました。焼却や埋立だけでは処理が追いつかず、環境負荷も深刻化していきました。

そこで注目されたのが、家庭ごみの約60%(容積比)を占める「容器包装廃棄物」です。食品や飲料、日用品など、私たちが毎日手に取る商品のパッケージが、ごみの大きな割合を占めていたのです。

 

こうした状況を受けて制定されたのが、1995年の「容器包装リサイクル法」(略称:容リ法)です。1997年から段階的に施行され、現在に至るまで、日本の資源循環の基盤を支えてきました。

この法律の目的は、ごみの排出抑制と資源の有効利用。対象となるのは、中身を使い終えたあとに不要になる容器や包装です。

具体的には、ペットボトルやプラスチック容器包装、紙パック、ガラスびんのほか、お菓子の袋やプラスチックトレー、レジ袋などが含まれます。スーパーやコンビニで手に取る多くの包装材が、容器包装リサイクル法の対象なのです。 

 
容器包装リサイクル法のもとでは、分別・回収された素材ごとに、次のような形で再商品化が行われています。

 

主なリサイクル素材と行き先 

  • ペットボトル 

    • 回収後にフレーク化され、ペットボトルや衣料用繊維などに再生 

  • プラスチック容器包装 

    • 選別・加工され、再生プラスチック製品や固形燃料(RPF)などに活用。 

  • ガラスびん 

    • カレット(砕いたガラス)として、新たなガラスびんや建材原料に。 

  • 紙容器包装 

    • 繊維原料に戻され、段ボールやトイレットペーパーなどに再生。 

市町村・事業者・消費者が担う役割と連携

容器包装リサイクル法の大きな特徴は、市町村・事業者・消費者の三者が、それぞれの立場で役割を分担する仕組みにあります。
Several bags of waste near a fence and a dumpster.

市町村の役割 | 分別収集

家庭から排出される容器包装廃棄物を分別収集し、再商品化を行う事業者へ引き渡す役割を担います。あわせて、分別ルールの整備や周知を通じて、住民と協力しながら分別排出や排出抑制を進めています。
 

事業者の役割 | 再商品化リサイクル

容器包装を製造・利用・輸入する事業者には、使用した容器包装の量に応じて、再商品化の義務が課されています。多くの事業者は、国が指定する法人(指定法人制度)にリサイクルを委託し、その費用を負担することで義務を果たしています。

 

再商品化に加えて、 

  • 容器包装の軽量化・薄肉化

  • 詰め替え・量り売りの導入

  • レジ袋の有料化

など、排出そのものを減らす取り組みも求められています。

 

消費者の役割 | 分別排出と、より良い商品の選択

市町村が定める分別ルールに従って、ごみを排出することが基本となります。

 

さらに、

  • マイバッグを持参する

  • 簡易包装の商品を選ぶ

  • リターナブル容器を利用する

といった日々の選択も、制度を支える重要な要素です。

 

三者の連携によって、多くの容器包装が資源として再利用され、焼却や埋立に頼らない循環のかたちが、各地で積み重ねられてきました。

プラスチック資源循環促進法が広げる、資源循環の考え方

2022年4月には、新たに「プラスチック資源循環促進法」(通称:プラ新法)が施行されました。

これまでの容器包装リサイクル法では、主にペットボトルや包装材などの「容器包装」が対象でした。プラスチック資源循環促進法では、それに加えて、ハンガーや生活用品など、プラスチックが使われている製品も新たに対象となっています。
A pile of plastic bottles in a recycling facility.

キーワードは、3R+Renewable」です

  • Reduce(リデュース):ごみを減らす

  • Reuse(リユース):繰り返し使う

  • Recycle(リサイクル):資源として再利用する

  • Renewable(リニューアブル):再生可能な資源を活用する

 

製造事業者には、環境配慮設計(デザイン・フォー・リサイクル)を促す指針が設けられ、指針に沿った設計のうち、特に優れたものを認定する制度も導入されました。
また、特定の使い捨てプラスチック製品(12品目)については、提供方法の見直しや削減が求められています。フォークやストロー、ホテルのアメニティ類、クリーニングのハンガーなどが対象となり、必要かどうかを確認したり、有料化したりすることで、使い捨てを前提としない渡し方へと切り替えられています。

こうした制度の枠組みのもとで、多くの自治体は、分別収集したペットボトルを国が指定する法人へ引き渡し、再商品化を行ってきました。一方で近年は、限られた資源をより高い品質のまま循環させることを目指し、「ボトル to ボトル」の取り組みを検討・実施する動きも出てきています。

 

BRINGを運営する株式会社JEPLANは、ペットボトルを分子レベルまで分解するケミカルリサイクル技術を活用し、自治体や事業者等と連携しながら、「ボトル to ボトル」の循環を目指した取り組みを支えています。

NEXT ACTION

 

  • ペットボトル

    • ラベル・キャップを外し、軽く水洗いしてから出す

  • 紙パック

    • 中をすすぎ、開いて乾かしてから出す

  • 食品トレー・プラスチック容器

    • 中身を使い切り、汚れを落としてから出す
      ※汚れが落ちない場合は、リサイクルできないため「可燃ごみ」にします。

  • ガラスびん

    • 中をすすぎ、フタを外してから出す

  • 紙箱・包装紙

    • ビニールや金具を外し、たたんでから出す

 

汚れや異物が混ざると、再商品化の工程で除去できず、焼却や埋立処理に回ってしまうことがあります。「出す前にひと手間かける」ことが、資源として生かすための大切なポイントです。

 

容器包装リサイクル法は、私たち一人ひとりの行動を前提に成り立つ制度です。
一つひとつの分別が積み重なることで、大きな資源循環へと繋がっていきます。

参考URL(外部リンク) 

日本容器包装リサイクル協会「容器包装リサイクル法の概要」 https://www.jcpra.or.jp/law/overview.html 

日本容器包装リサイクル協会「よくわかる!容器包装のリサイクル」 https://www.jcpra.or.jp/law/wakaru/ 

3R容器包装リサイクル法「A-1.容器包装リサイクル法の概要」 https://www.env.go.jp/recycle/yoki/a_1_recycle/recycle_02.html 

プラスチック資源循環「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」 https://plastic-circulation.env.go.jp/about 

執筆:熊沢紗世

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