EVENT REPORT | 再生可能エネルギー100%を提案する、みんな電力の「ソラフェス!」に行ってきました!

2023.7.5

自分が選んだ発電所に電気料金を支払い、再生可能エネルギー100%の電気を購入することができる「みんな電力」をご存知でしょうか。BRINGの直営店「BRING EBISU」でも、オープン当初よりみんな電力の電気を使っています。

数あるユニークな電力プランに、2022年、「アーティスト電力 | 太陽のタイジ発電所」が加わりました。

 

「太陽のタイジ発電所」は、ミュージシャン・シアターブルックのフロントマンであり、ソロギタリストとしても活動する佐藤タイジさんの電気を購入することができます。福島県矢吹町に建設されたタイジ発電所は、背の高い架台に太陽光パネルを設置し、その下で農業を行う、ソーラーシェアリングを採用。契約者には、再生可能エネルギー100%の電気がトレーサビリティ付きで供給され、電気代の一部がアーティストに還元されるなど、電気を通じてアーティストとファンがつながれる、今までにないサービスです。

20235月、前日までの雨予報を吹き飛ばす快晴の空の下、アーティスト電力契約者限定イベント「ソラフェス!」が矢吹町のタイジ発電所で開催され、佐藤タイジさん、いとうせいこうさん(アーティスト電力第一弾 福島県二本松市発電所オーナー)、そしてスペシャルゲストとして、子供ばんどのうじきつよしさんが出演。ここでしか聞けないプレミアムなセッションライブ、トークを繰り広げました。

 

今回の記事では、BRINGスタッフが体験したイベントの模様と、ソーラーシェアリングの仕組みについてお届けします!


イベントは、「ソラ!」「フェス!」のコールアンドレスポンスから幕を開けました。福島の空に、佐藤タイジさんの歌声とギターソロが鳴り響きます。

うじきつよしさんも登場し、ギタリスト二人の熱いセッションに。うじきさんが直前に歌うことを決めた、THE BLUE HEARTSの「青空」に会場からも歓声が上がります。

続いて、いとうせいこうさん、司会のNaz Chrisさんが登壇。トークタイムが始まりました。

タイジ アーティスト電力は元々、いとうせいこうさんの発案でした。いとうせいこう発電所が二本松市にできたのが、2021年。それから2年間発電中です。

Naz せいこうさんは実際に足を運んでいらっしゃるのでしょうか。

せいこう もちろんです。雑草を刈らせてもらっているくらいですが。少しでも太陽光パネルに葉っぱがかかると、発電量が減ってしまうんです。この(太陽のタイジ)発電所はソーラーシェアリングだから、高いところにパネルが設置してありますよね。

タイジ ソーラーシェアリングは、太陽光パネルが高いところに設置しているので、その下で農業をすることができます。発電をしながら、植物の光合成によって酸素も排出しているんですよ。つまり、ソーラーシェアリングは、電気・酸素・農作物を同時に作っています。

うじき 日光を遮ったほうが、育てやすい植物もあるからね。

Naz タイジ発電所では何を育てる予定なのでしょうか。

タイジ 大豆です。今目論んでいるのは「タイジ豆腐」。

せいこう 良い名前だね。

タイジ いつかライブの物販で売る日を夢見ています。「タイジ揚げ」「タイジがんもどき」なんかも良いですねぇ。

せいこう 畑を耕すことでCO2を輩出してしまうので、最近は不耕起栽培といって、あえて耕さずに作物を育てる方法も出てきています。大豆はそれで育てることができるから、是非試してみてほしい。

うじき 日本は川、水が豊富にあるし、地形の高低差もあるし、温泉、火山の国でもある。自然エネルギーを使った発電所は、いろいろ作れるはず。こうしてタイジの発電所を作ることができたのも、一つの足がかりにように感じるね。

せいこう 誰でも電気を作れる時代になりました。佐藤タイジが作れるなら、かなりの人が作れる(笑)。

タイジ 太陽の光によって、作物を栽培し、酸素を作り、電源を確保することができる。他国とのやり取りではなく、自国で完結するため、争いの火種となりません。ソーラーシェアリングを推し進めることによって、我々の世界が平和に近づいていくように感じています。

トークの後は、いとうせいこうさんのポエトリーリーディングが加わった、3人でのスペシャルセッション。ラストはシアターブルックの代表曲「ありったけの愛」で締めくくりました。

ライブの後は、太陽光パネルの下に移動し、みんな電力のスタッフからソーラーシェアリングについてのお話を伺いました。

 

「よくソーラーシェアリングで誤解されるのが、パネルの下で作物が育つのかという点です。上のパネルを見ていただくと、パネルとパネルの間が少しずつ空いています。実は、日陰になっているところはほとんどありません。それでも今、パネルの下に入って少し涼しく感じませんか。これは、農業従事者の方々にとっても有難いことです。さらに作物によっては日を浴びすぎると光飽和点を超え、弱ってしまうことがあります。飽和点は作物ごとに異なるため、育てたい作物が上手く育つように、私たちはソーラーシェアリングの仕組みを作っています」

「日本の農業の課題となっていることの一つは、農業収入が少ないことです。ソーラーシェアリングでは、皆さんに電気を買っていただいたお金が、農業従事者の方へのプラスの収入となります。安定した収入があるうえで、有機農法など新しい農業に挑戦できるような下支えを私たちがしているのです。

この下の農地では、麦、もしくは大豆を無農薬で栽培する予定です。大豆であれば6月の下旬ごろ、麦であれば12月ごろに種まきがあるので、またそういったタイミングで皆さんに農業のほうも体験していただければと思います」

 

この後、出演者・参加者全員で記念撮影をして、イベント終了となりました。

2016年に電力が全面自由化され、現在では様々な電力会社が独自の電力プランを打ち出しています。私たちにとって、電気は生活に欠かせないもの。服や食べ物を選ぶのと同じように、未来に繋がるサステナブルな選択をしていきたいですね。

 

出演:いとうせいこう、佐藤タイジ、うじきつよし
司会進行:Naz Chris
写真撮影:高橋良平
主催:みんな電力(UPDATER)