BRINGは、2022年より京都府亀岡市と「かめおか未来づくり 環境パートナーシップ」に関する包括連携協定を結び、ケミカルリサイクル技術を用いた使用済みペットボトルの「ボトルtoボトルリサイクル」を推進しています。※1
INTERVIEW18 アップサイクルの現場へ。パラグライダーからバッグを作る、亀岡のHOZUBAG工場を訪問。| 武田幸子
2025.12.25
今回HIVEでは、亀岡発のアップサイクルブランド「HOZUBAG(ホズバッグ)」の工場を取材しました。ホズバッグは、使われなくなったパラグライダーを回収し、バッグへと生まれ変わらせるブランドです。 昨年は代表・武内昭さんへのインタビューを行いました。( INTERVIEW09 パラグライダーのアップサイクルを実現。亀岡から世界へ飛び立つHOZUBAG | 武内昭)
さらに今年10月には、BRINGの新店舗であるBRING ニュウマン高輪店でホズバッグのポップアップイベントを開催しました。コラボアイテムである「HOZUBAG×BRING KINCHAKU」を発売。現在もオンライン、店頭ともに大人気のアイテムとなっています。
※1 JEPLAN「日本環境設計と亀岡市が「環境パートナーシップ」に係る包括連携協定を締結「ボトルtoボトルリサイクル」に関する取り組みについても協働へ」 https://www.jeplan.co.jp/2022/02/18/10289/
亀岡市内のホズバッグ工場にて、工場長・武田幸子さんにお話を伺いました。
パラグライダーのユニークなデザインを活かしたバッグ作り。
― ここではどのような作業を行っているのでしょうか。
武田 日によって作業内容は変わります。パラグライダーが届いたらまず解体し、洗濯機に入るくらいのサイズに切り分けて洗浄します。機体に付いている草や砂、埃などの汚れを落とします。その後天日干しをすることで匂いをとります。
クリーニングした生地は、製作する製品に合わせて裁断します。バッグ等、大きなアイテムを裁断した後のハギレを使ってポーチなどの小物を裁断します。もっと小さなハギレも保管していて、今のところ使い道は少ないですが、今後の活用方法を検討中です。先日BRINGのニュウマン高輪店で開催されたオリジナルのストラップを作るワークショップで、このハギレを使ってもらいました。
色ごとに分類された生地が保管されている。
裁断後、パーツを縫製し、アイロンがけをして完成です。
― パラグライダーってこんなにカラフルなんですね。
武田 カラフルで、デザイン性が高いですよね。パラグライダーは上下2枚構造になっているのですが、最近は下が白色、上が様々なカラーになっているものが多いです。また、配色が偏ることもあります。そういった場合は、同じ色の製品ばかりができないよう、ポケット部分にまわすなどして調整しています。
― パラグライダーは、どういった場所から届くのでしょうか。
武田 パラグライダースクールで使わなくなったものをストックしてもらっています。近くのスクールの方が届けてくれたり、車で1~2時間の距離なら取りに行ったりすることもあります。直接会うことで機体の仕様の変化などを教えてもらえるので。また、パラグライダーの小さな部品や収納袋には再利用するものもあるらしく、それらをスクールの方に返すこともあります。
亀岡市と連携し、地域に根ざした活動を。
― こちらの建物は、元々どういう場所だったのでしょうか。
武田 化粧品屋さんだったそうです。以前はもう少し山のほうに拠点を構えていたのですが、2024年の冬にこちらに引っ越してきました。人通りが多い場所になったので、近所の方に「何をしているんですか?」と声をかけていただくことが増えました。
― 亀岡では、環境を守るための様々な取り組みが行われているそうですね。
武田 市の職員さんたちのフットワークが軽く、私たちにも「こんな場面でホズバッグが使えませんか?」「ここでワークショップができませんか?」といったご相談をよくしてくださいます。街の方々の環境意識も高く、街も綺麗ですよね。駅の北側にある「サーキュラーかめおかラボ」という建物に、ホズバッグのハギレを置いていただいているのですが、手芸をされている方が、それを使ってクッションカバーを作ってくださったり、ホズバッグのリペアをしてくださったりしていると聞きました。地域にホズバッグが馴染んでいて、破れたところを直してまで長く使ってくださっているというのは、とても嬉しいです。
仕事の幅を広げ、多様な人材を雇用する。
― 従業員の方々は何名ほどいらっしゃるのでしょうか。
武田 現在は10名ほどです。週1、2日のシフトで働いている方もいます。
― 求人はどのように出されているのですか。
武田 ホズバッグと名付けられる前の話ですが、亀岡で継続して活動していくために、地域の方が働ける場所にしたいという話をしました。そのために、専門的な技術のある方だけを雇用するのではなく、できるだけ受け皿を大きくしています。亀岡市には、引きこもりの経験など、様々な理由から働くことにブランクがある方が、段階的に就労をはじめられるサポート大勢とネットワークがあり、そのサポートを利用して研修にきてくださっている方もいます。研修を通して出会い、今もホズバッグで働いてくれている方もいます。
受け皿を大きくするためには、もっといろいろな作業の種類を作らなければと思っています。
例えば、ジップポーチや「HOZUBAG×BRING KINCHAKU」のループに使用しているパーツもパラグライダーから切り出しているのですが、使い道を探す中でポーチのループに採用されました。パーツとして必要性が出ると、長さや色を揃える新しい作業が生まれます。
― 雇用に関しても、亀岡市との連携を感じますね。
武田 最近は、私の母世代も工場で働き始めました。違う世代の方が加わってくれると、私とは違う視点でモノづくりを見てくれるので新鮮です。「その色合わせで大丈夫?」などと言われながら、新しい知識や感性を取り入れています。
今回のコラボアイテムである「HOZUBAG×BRING KINCHAKU」は、パラグライダーの生地とBRINGの再生ポリエステルデニムを組み合わせたアップサイクル製品です。通常のホズバッグ製品に比べ、底が硬いデニムであることによって耐久性がアップしています。ショルダーを外してポーチとしても使用することができ、コンパクトに持ち運べるため街でもアウトドアシーンでも活躍します。
巾着の口部分に使用しているコードも、パラグライダーの機体から切り出したものを使用しています。ショルダーは、ペットボトルリサイクルの素材で編まれたものです。パラグライダー部分は裁断する部分によって表情が変わるので、是非一点もののデザインをお楽しみください!
取材・執筆:熊沢紗世
あわせて読みたい
いま話題の記事