BRINGは、高尾山にある直営店「BRING CIRCULAR TAKAO」の回収ボックスや、オンラインストアの商品購入者様にお送りしている回収封筒、さらには回収参加企業の店頭などで、どなたでもご参加いただける衣類回収を行なっています。
コットン、ナイロン、ジーンズなど、様々な繊維を反毛し、リサイクルする、株式会社エフアンドエイノンウーブンズの工場を取材しました!
2025.9.24
回収された衣類は、まず自社工場の北九州響灘工場などの分別拠点に集められ、まだ着られる衣類はリユース、もう着られる状態ではない衣類はリサイクルへと手作業で分類されます。リサイクルされる衣類へと分類されたものは、リサイクルパートナーが再資源化しやすいように分別し、各リサイクル工場へと送られます。
今回はそれらの工場のうち、使用済みの繊維製品を反毛し、自動車資材等へとリサイクルする、茨城県石岡市の株式会社エフアンドエイノンウーブンズ(以下、FANS)を取材しました。
最新設備を導入し、効率化が実現したFANSの反毛工場。
リサイクル工程①:裁断
回収拠点から届いた衣類を裁断します。まずは粗めに1回、次にさらに細かくなるようにもう1回裁断機に通されます。
リサイクル工程②:第一解繊
裁断されたものをさらに細かくほぐし、綿状にする作業です。またこの際、ボタンやファスナーといったリサイクルできない部分は、除去されるようになっています。これまでFANSの一関工場ではこの作業を人の手で行っていましたが、石岡工場は自動で異物を除去する設備を導入しました。コンベアを流れる綿と、異物(チャック、ボタン等)の比重の差により、分別する仕組みとなっています。この設備を導入したことが大きなコストカットとなり、これまでの10倍規模に相当する処理能力が実現したということです。
リサイクル工程③:ミキシングボックス
綿になった衣類を、一定の分量溜めて、混ぜるための大きな箱のような設備です。回収された衣類は、コットン、ナイロン、ジーンズなど様々な素材でできているため、ここでそれらが均一になるよう混ぜ合わせる必要があります。また、この箱に入る前に、綿に水をかけて静電気を防止したり、必要に応じて難燃性、吸音性、防音性、吸湿性等の性質を持った別の原料を投入する作業を行ったりしています。
リサイクル工程④:第二解繊
第一解繊と同様に、比重差によりリサイクルできない部分を除去します。
リサイクル工程⑤:ベールプレス
二度の解繊により反毛された綿は、最後にセンサーによって鉄片などの異物が混入していないかを確認がされた後、運びやすいようベールに圧縮されます。ここで作られたベールは、隣の建物へと運ばれ、一部は、反毛材料として販売され、一部は不織布等の製品へと加工され、自動車内装材を製造する工場等へ納品されていきます。
再生素材を使用した、新しい製品づくりに取り組む。
現在FANSでは、従来のフェルト、不織布の製造のほか、新しい製品の開発にも力を入れています。その中から一部の商品をご紹介します。
硬質ボード
4種類の厚みで開発中ということです。割れたり、折れたりすることが少なく、ネジや針が打てるので、加工に適しています。取材時はハンガーに加工したものを見せていただきました。
メラミン化粧板
耐久性や意匠性が高く、家具・什器・パーテーションの表面材への使用が可能です。
3D成型
いろいろな形に成型することができるため、幅広い用途で利用できます。
粉塵ペーパー
工場内に設置された大型集塵機により集められたホコリを、紙にリサイクルする試みです。箱や封筒、紙袋に加工することもできます。この大型集塵機により、裁断の際などに巻き上がるホコリが吸い取られ、工場内での作業環境が大幅に改善されたということでした。
工場内に設置された大型集塵機。
製品化が実現すれば、私たちの身近なところで、再生素材を目にすることが増えそうですね。
2024年、JEPLANとFANSは「使用済衣類の資源循環に関する業務提携」を結びました。これにより、これまでの10倍規模に相当する石岡工場においても、BRING回収で集まった衣類のリサイクルに取り組むことになり、反毛繊維へのリサイクルが飛躍的に増大することが期待されています。
このように、BRINGで回収した衣類は、再生ポリエステルで作られた製品に限らず、私たちの生活に密接に関わるフェルト、不織布製品にもリサイクルされています。ご不要になった衣類をお持ちの方は、ゴミとして捨ててしまう前に、是非BRINGの衣類回収にお持ち込みいただくことをご検討ください!
株式会社エフアンドエイノンウーブンズ
BRINGの衣類回収について
取材・執筆:熊沢紗世
あわせて読みたい
いま話題の記事