What’s BRING Technology™ ― JEPLAN独自のリサイクル技術で、ポリエステルをサステナブルに。

2024.4.4

服から服をつくるBRING Technology

「BRING Technology」とは、JEPLANの"服から服をつくる"リサイクル技術です。

自社工場である北九州響灘工場では、繊維・服由来原料をケミカルリサイクルし、【解重合→精製→重合】という工程を経て、石油由来と同等品質の再生PET樹脂を製造しています。

北九州響灘工場で製造された再生PET樹脂

北九州響灘工場のリサイクルプロセス

1. 解重合

PETは「エチレングリコール」と「テレフタル酸」という物質で構成されています。そこに新たにエチレングリコールと触媒(反応を促進する物質)を添加することで、PETBHETに分解します。

2. 薄膜蒸発

精製工程の最初のプロセスです。ここでは、「解重合」工程で過剰に添加したエチレングリコールを取り除きます。解重合後の溶液を薄い膜に引き延ばし、熱することでエチレングリコールを蒸発させています。エチレングリコールが蒸発して残ったBHET(+この工程では取り除けない不純物)は、液体のままタンクの下に流れ、次の工程へと進みます。

北九州響灘工場では、蒸発工程を繰り返すことでエチレングリコールを完全に蒸発させています。

3. 分子蒸留

「薄膜蒸発」工程と同様に装置の内側に薄い膜を作り、熱することで、次はBHETを蒸発させています。そして、気体となったBHETをすぐ内側にある冷却器で冷やし、液体に戻して回収しています。

この時点でもまだ、BHETと一緒に蒸発してしまう不純物は残っています。

4. 晶析

「分子蒸留」のタンクから流れてきたBHETと純水を混ぜてBHET水溶液(BHETが溶けた水)を作り、その温度を下げていくと、あるポイントでBHETが水に溶けていられなくなり、BHETの結晶を析出することができます。急に冷やすと不純物を含んだまま結晶になってしまうため、ゆっくりと冷やし、より純度の高い結晶を析出します。

5. 遠心分離

最後に、BHET の結晶と水を遠心分離機にかけ、BHET以外の不純物を含んだ水を外側に飛ばし、内側に残ったBHETのケーキ(水分が無くなったBHETのかたまり)を回収します。この段階で、限りなく不純物を取り除いたBHETを精製することができます。

6. 重合

BHET同士が長い鎖のように繋げて、PET樹脂を製造します。BHETが繋がるごとに、余分なエチレングリコールが発生しますが、真空状態で加熱することで、発生したエチレングリコールを取り除いています。その後エチレングリコールは、パイプを通って「解重合」工程まで戻り、再利用されます。 

北九州響灘工場のリサイクルプロセスについて、ざっくりとご理解いただけましたでしょうか。もっと詳しく知りたい方は、JEPLANのウェブサイトを是非ご覧ください。

以下は補足として、一般的なポリエステル繊維やポリエステルリサイクルについてお伝えします。

ポリエステルの結晶化とは

ポリエステル繊維は、PETの長い鎖が何本も束になって作られています。長い鎖が絡み合う中で、部分的にいくつかの鎖が綺麗に重なった箇所が生まれ、これを「結晶化」と言います。結晶化度が上がると、ポリエステルは光を透過しにくくなるため、透明から白い状態に変わります。

染料を取り除く仕組み

ポリエステル繊維の染色工程では、熱をかけて結晶部分を緩め、圧力とともに染料を押し込んだ後、冷やして再度結晶化させることで、繊維の中に染料を閉じ込めています。

そのためリサイクルする際にも、同様に熱をかけて結晶部分の分子の重なりを広げ、染料を取り除いています。

しかしこの方法では、全ての染料を取り除くことができず、異物は繊維の中に残ったままとなります。 そのためJEPLANではケミカルリサイクル技術を用い、石油から作られた新品のPET樹脂と同等の品質で、再生樹脂の製造を行っています。

私たちBRING | JEPLANは、世界のモノづくりを循環型に変えることができるこの技術をベースに、国内外のパートナーと手を取り合い、サーキュラーエコノミーの実現を目指していきます。

HIVE by BRINGでは、北九州響灘工場に潜入取材&工場員へのインタビューを行いました。良ければそちらの記事もご覧ください!