INTERVIEW02 瀬戸内の島に生まれた、サステナブルなマラソン大会 | 矢崎智也

2023.4.24

 

今年2 月、国産レモン生産量日本一として知られる瀬戸田で初めて開催された「せとだレモンマラソン」。ランナーたちは、しおまち商店街、サンセットビーチといった島の観光名所を巡るコースを走り抜け、潮風とレモンの香りを肌で感じる。
大会運営における環境負荷の軽減にも取り組み、スタート地点にBRING の回収ボックスを設置、不要になった防寒着の回収を行った。

 

島の暮らしに馴染む、サステナブルな大会運営とは。自身もトレイルランナーとして活躍する、実行委員会メンバーの矢崎智也さんにお話を伺った。

 
今回初開催となる「せとだレモンマラソン」ですが、どのような経緯で生まれた大会なのでしょうか。
 
矢崎 企画が立ち上がったのは昨年(2022 年)10 月です。コンセプトやウェブサイト作りから始まって、11 月の頭にはエントリーを開始するというかなりタイトなスケジュールでした。一番の目的は、瀬戸田の街の人々が楽しめる行事を作ること、そして島の外の人たちが瀬戸田に興味を持ち、来てみたいなと思ってもらえるようなきっかけづくりをすることだと考えています。

矢崎さんご自身も、大会に出られるランナーだと伺いました。

矢崎 僕はトレイルランニングをやっていて、100km を超えるウルトラディスタンスの大会を中心に出場しています。トレイルランニングは自然と共生しながら、自然の中で遊ぶということを大切にするスポーツです。ゴミを落とさないようにするのはもちろんのこと、給水も自分でマイボトルを持ち歩きます。その中で、昔はなかったような携帯しやすいボトルや、それをしまうためのパンツなども開発されてきました。そういったポジティブな変化は、ロードの大会にも落とし込めると思っています。
 
 
 
街中を走るマラソン大会では、大会中に出るゴミが問題となっているのでしょうか。

矢崎 例えば給水カップは、使い捨ての紙カップが一般的です。また大きな大会になると何万人という人たちが並ぶので、1 時間前から列を作って、グループごとにスタートすることが多い。そうすると肌寒い日や雨の日は、寒さ対策が必須となります。ただ防寒着を着たまま走るのは難しいので、着古したシェルやビニール袋を被っていて、スタートと同時に道路に脱ぎ捨てていくっていうのは、よく見る光景です。こういったゴミ問題や、環境負荷を軽減した大会づくりを行うことも、せとだレモンマラソンのコンセプトの一つでした。
 

その一つの取り組みとして、スタート地点でのBRING 回収が実したんですかにはどのような取り組みをされているのですか。


矢崎 出走者全員に、ソラスクというらかい素材でできた給水ボトルをりますっとりつぶせるくらいらかく、コンパクトにめるので、ポケットにても邪魔になりません。給水場ではそのボトルに、自分のきな量だけ水をれてもらいます。「今までこうだったから」にとら2023 年に生まれる大会としてたなスタンードを作ろうと、大会に関連するものてにおいて、より選択をしていくことを大切に考えています。

 

矢崎 例えば参加賞T ツを作るとしたら、まはもらってしいものを作りたい。記念形式的なものではなく、日々使ってもらえるものを。そして一年使い終ったら、またの大会に持ってきてBRING の回収ボックスにれてもらい、年に一瀬戸田をれる理由になればいなと思います。一回一回の大会が何もなることで、瀬戸田で生まれたがどんどんがっていくことが、大会を始めた味になるのではと像しています。


これからの開が楽しみです。今回はどのくらいのランナーがまるのでしょうか。


矢崎 員いっいとはいきませんでしたが、450 人くらい来てくれます。準備期で、これだけ多くの々にまっていただけてしいです。

 

― 初めて瀬戸田を訪れる方に伝えたい、島の魅力とは何でしょうか。

 

矢崎 瀬戸内の海に囲まれたのんびりとした雰囲気の中に、特産である柑橘類の農地と、新しくできたカフェやホテルが、程よい塩梅で整っているのが瀬戸田の面白さかなと思います。本州ではなかなか感じることのできない、自然と、人々の暮らしの調和を感じてもらいたいです。また街の人たちがあたたかく、外からやってきた主催メンバーもすっかり島に馴染んでいます。今回のような大会を開催することができたのも、地元の町会や体育協会の方々をはじめ、多くの町民の皆さんにご理解とご協力をいただけたことが大きいです。

 

 

 

瀬戸田のおすすめスポット


SOIL Setoda LIVING
1 階には地元の食材を扱うレストラン、2 階にはスモールホテルを併設する複合施設。向かいのKURA には、Overview Coffee のロースターとアクティビティセンターが入る。

しおまち商店街
600 メートルのりに50 が並ぶレトロな商店街。せとだレモンマラソンのスタート地点となった。

瀬戸田サンセットビーチ
瀬戸内日を満喫できる場。キャンプやBBQ もできる。

レモン
島と大島をぶ多々のたもとにるレモン農園。瀬戸田は、日本一の国産レモン生産地として知られている。